給湯器の選び方

ガス給湯器の選び方「自分にあった給湯器はコレだ!」

給湯器を交換する場合、同じ機種を選びがちです。

業者さんも「前と同じものを」とオススメしてくれることが多いです。

ただ、本当にそれがベストなのか? については、ちゃんと生活環境を調べてみないとわかりません。

普段からお付き合いがあって家族構成まで知っている「信頼できる馴染みのガス屋さん」であれば、任せておいてもピッタリの給湯機を選んでくれることもあるでしょう。

しかし、初対面の営業マンだとそこまで行き届かないこともあります。

給湯機は10年以上、長いと20年は利用します。1度だけ、ちゃんと調べて、ちゃんと選んでおくと、これから先、10年以上は何も考えなくてもよいのです。

ちょっとこの機会に、お勉強してみませんか?

給湯器選び、7つのステップ

給湯器は、この順番で選ぶと一番選びやすいと思います。

  1. 「種類(機能)」を選ぶ
  2. 「号数」を選ぶ
  3. 「追いだき方式(オートかフルオートか)」を選ぶ
  4. 「エコジョーズ」にするかどうかを選ぶ
  5. 「メーカー」を選ぶ
  6. 「設置場所(排気方法)」を選ぶ
  7. 「業者」を選ぶ

1.「種類(機能)」を選ぶ

給湯器には「3つの機能」がある

給湯器には、大きく分けて「3つの機能」があります。

  1. 「お湯を出す」機能
  2. 「追いだきする」機能
  3. 「暖房する」機能

これらを組み合わせて種類を選ぶことになります。

暖房とは??

床暖房や、ガス浴室暖房乾燥機などの、お湯を使って暖房をする機能を「暖房」と呼びます。

給湯器の種類は、代表的なものは3種類

機種の名前 お湯を出す
(給湯)
追いだき 暖房
ガス給湯器
ガスふろ給湯器
ガスふろ給湯暖房機
  • ガス給湯器は、給湯専用
  • ガスふろ給湯器は、給湯と追い焚き
  • ガス風呂給湯暖房機は、給湯と追い焚き、それに床暖房や浴室乾燥

という特徴があります。

2.「自分にあった号数」を選ぶ

号数とは、「お湯を作る能力」のこと。

給湯器は、16号、20号、24号の3種類があります。

家族構成によって号数を変えるのが、一般的な選び方です。

家族構成 号数
1人~2人 16号
2人~3人 20号
4人以上 24号

3.「追いだき方式(オートかフルオートか)」を選ぶ

オートとは?

スイッチひとつで、お湯はりから、自動ストップ、自動追いだきまでを行います。

フルオートとは?

スイッチひとつで、お湯はり、自動ストップ、自動追いだきといった「オートの機能」に加え、「自動たし湯」を行います。

給湯器の追いだき方式は「3種類」

追いだきの種類は3種類あります。

  1. 強制循環タイプ
    →オートorフルオート
  2. 高温差し湯タイプ
  3. 自然循環タイプ

オートか、フルオートについては、「強制循環」タイプの種類を指します。

ですから、追い焚き方式は、厳密には4種類あることになりますね。

強制循環タイプ(設置フリータイプとも呼びます)とは?

給湯器本体に内蔵されたポンプでお湯を循環させます。

一般的な追いだき方式で、もっとも普及しているタイプです。

特に理由がなければ、この強制循環タイプを選んでおけば間違いありません。

強制循環タイプは、「オート、フルオート」の2種類があり選択することができます。

高温差し湯タイプとは?

追いだき配管から高温(60度~75度)のお湯を浴槽へ流し込むことで、お風呂の温度を上げます。

追いだきをする際に、お風呂のお湯が増えていきます。

20年~30年くらいまえのマンションに多く採用されているタイプの追いだき方式です。

現在では、新築で採用されているところはまずありません。(少なくとも、私は聞いたことがありません)

オート、フルオートといった違いはありません。

自然循環タイプ(浴槽隣接設置タイプとも呼びます)とは?

浴槽に隣接して設置するタイプです。

温かい水は上昇し、冷たい水は下降する、という自然原理を利用してお湯を循環させます。

ポンプなどを利用せず、自然に浴槽内のお湯が循環しあたためられてゆく、という方式です。

「浴槽のうえのほうだけ熱い」というのはこのタイプです。30年ほど前は主流でしたが、もう、最近ではほとんどみかけなくなりましたね。

自然循環タイプは、デメリットだらけ・・・

自然循環タイプは追いだき配管が太く、さらにポンプで循環させないので、お湯の流れも緩やかです。そのため、配管内に湯垢などがこびりつきやすく、どうしてもヘドロが溜まってしまいます。

少し例えが強烈ですが、洗っていない排水口をイメージしてください。あんなヘドロが、給湯器の中に潜んでいます。

特に、入浴剤を利用している家庭の場合、こびりついた入浴剤が「もやもや」としてお湯に浮いている、とうことはよくあります。

1990年代の新築住宅には多く採用されていましたが、2000年頃からは徐々に強制循環タイプに切り替わってきました。

自然循環タイプから強制循環タイプへの変更は、できるケースがとても多いです。業者さんに相談してみてくださいね。

どの追いだき方式がおすすめ?

特別な理由がなければ、追い焚き方式は強制循環タイプを選択すれば良いと思います。

なぜなら、強制循環タイプが最新の方式であり、最もおすすめな機能だからです。特に、自然循環タイプは古いタイプの追い焚き方式であり、あえて選択するメリットはありません。

高温差し湯タイプは、特にマンションで多いのですが、この場合は変更が難しいので、そのまま高温差し湯タイプでの交換になると思います。

ガス屋くん
ガス屋くん
ちなみに、最近の新築住宅であれば、必ずと言っていいほど、強制循環タイプが設置されていますね。

追いだき方式の変更はできる?

戸建住宅か、マンションか、によって、答えが変わります。

ガス屋くん
ガス屋くん
変更が可能化否かは設置状況によるので、最終的には業者さんに確認してもらってください。

戸建住宅の場合は、追い焚き方式の変更が可能

よほどの特殊事情がない限り、追いだき方式の変更は可能です。

ですから、「自然循環タイプ」利用しているご家庭は、「強制循環タイプ」への交換を強くおすすめします。

衛生面、機能面、ともに自然循環を選択するメリットがありません。

マンションの場合は、追い焚き方式の変更は難しい

マンションの場合は、追いだき配管が建築時から壁に埋設(埋まっている)事が多く、追いだき配管の交換が容易にはできません。

ですから『原則、追いだき方式の変更はできない』と考えたほうが良いです。

ただし、マンションの場合は、最初から「高温差し湯タイプ」または「強制循環タイプ」であると思われます。

追いだき方式を変更しなければならないといった強い理由はありませんから、そのままでも問題はありません。安心してください。

4.「エコジョーズ」にするかどうかを選ぶ

普通の給湯器にするか、エコジョーズにするかを選びます。

エコジョーズとは、普通の給湯器よりも「ガス効率の良い」給湯器のこと。

効率がいいので、エコジョーズのほうがガス代がやすくなります。

その反面、排気ガスの温度が低いので排気ガスが溜まりやすいことや、通常のガス機器にはない「排水」がでるので、排水の処理ができなければ設置ができません。

特に、マンションは注意が必要ですね。

5.「給湯器メーカー」を選ぶ

給湯器メーカーは、

  • ノーリツ
  • リンナイ
  • パロマ
  • パーパス

この4つが大手です。

その中でも、「ノーリツ」と「リンナイ」が、国内では大きなシェアを占めています。

実は、メーカーによる機能面での違いはそれほどありませんから、どのメーカーを選んでも大丈夫です。気にする必要はありません。

6.「設置場所(排気方法)」を選ぶ

選ぶとはいえ、交換の場合は、「いまついているものを取り替える」という考え方で良いでしょう。

排気ガスの事も考えなければなりませんから、業者さんの話をよく聞いて、指示に従ってください。

戸建住宅の場合

マンションの場合

屋外設置、屋内設置があります。

屋外設置

特になにもなければ、前方に排気を出せばよいのですが、目の前にエレベーターがある場合は、「アルコーブ設置型」といって、排気方向を変える必要があります。

屋内設置型

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7.「業者」

を選ぶ

給湯器交換業者は、いろいろな業者さんが取り扱っています。例を挙げると、

  • ガス供給業者
  • 水道業者
  • 電気量販店・ホームセンター
  • 工務店・リフォーム業者
  • ネット通販業者

おすすめの業者は、住宅設備直販センターいえすと です。

給湯器を探す

その他のお役立ち情報

いま使っている給湯器の、機種の見方

いま、どんな機種をつかっているかわかりますか?

一番確実なのは、使っている給湯器を見ることです。

機器本体の前面パネルに記載されています。一度確認してみてください。

オール電化(エコキュート)との違い

お湯はお湯なので、ガスでも電気でも、使う分には変わりません。

違いは、光熱費です。

エコキュートは、電気でお湯を作ります。「大きな電気ポット」のイメージですね。

エコキュートの場合、「夜間なら安いけれど、昼間は高い」という料金体系です。

この料金体型を利用して、「夜間の安い料金を使って夜にお湯を沸かし、昼間はためたお湯を使う」というのがエコキュート。

お昼にお湯をたくさん使う家庭には、メリットがありません。

暖房機能を追加する場合、給湯器は買い替えたほうが良いか?

ガスふろ給湯器(暖房機能なし)を利用している場合、床暖房を新たに設置する際には、暖房機能のついた給湯器の追加設置が必要となります。

この場合、方法は2つです。

  1. 給湯器を暖房機能付きのものに買い換える
  2. 暖房機能だけができるものを購入する

どちらが正解か、というのは一概には言えませんが、給湯器を8年程度利用しているようなら、「1.給湯器を暖房機能付きのものに買い換える」ことをおすすめしています。

給湯器の耐用年数は8年~12年程度が標準ですから、8年利用しているようなら、給湯器を新しく購入することが視野に入ります。その場合、単純に、給水やガス工事の増設が不要になるので、その分のコストが抑えられます。

給湯器が新しいようなら悩みどころですね。

二種類の見積もりを取得し金額を比較することになりますが、給湯器本体は20万円ほどしますから、「2.暖房機能だけできるものを購入する」としたほうが、総コストとしては安くなるケースが多いはずです。

給湯器に入浴剤を利用しても大丈夫ですか?

追いだき配管や給湯器本体に入浴剤が付着してしまうので、おすすめはしていません。

メーカーが使っても良いとするものは、重曹程度です。