インターネットショップなどで見ると、ガス給湯器はものすごく安い価格で販売されています。
こちらの商品のように、2万円で販売されているものもあります。
「これ、ネットで買って自分で取り付けたほうが安いんじゃないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
鋭いです。確かにそのとおりです。
とはいえ、工事には経験や技術が必要な面もありますから「誰でもできる」というものでもありません。
そんなわけで、本ページでDIYの詳細についてご紹介します。「自分には給湯器のDIYができそうか」を判断する参考にしてください。
DIYの方法は二種類
給湯器は、Amazon等のネットショップで購入することが出来ます。これは検索すればすぐヒットしますので、誰でも用意することはできます。
DIYをする場合、
- 工事は業者に依頼する場合
- 工事も自分でする場合
に、分かれます。
自分で給湯器を購入して、工事は業者に依頼する場合
通販会社で給湯器を購入し、工事は事業者に依頼することになります。
こちらは技術不要で、知識と調査能力さえあればOKです。
注意すべきは、機種選定です。専門業者による現地調査、機種選定が行われません。自分で機種を選ばなければなりません。
ただ、今の給湯器と全く同じものを使うのであれば、かんたんです。
現在利用している型番を調べたうえで、メーカーに電話すればOKです。
「後継機種はなんですか?」
と聞けば、同じ性能の機種がわかるでしょう。

工事の依頼先
ガス給湯器を販売しているところであれば工事は可能だとは思いますが、当サイトは、ガスの供給事業者をオススメします。
理由は、
- ガスの供給の契約があるため、一見さんというわけではない
- ガス供給事業をしているため、会社として技能が信頼できる
- アフターサービスが見込める
からです。
また、あまり断られることはないだろうとは思います。
街の水道業者さんなどであれば、給湯器の取り付けだけといった仕事は、積極的には請けてくれないとは思います。これは、儲けが少ない割に、リスクが多いからです。
工事だけ業者に依頼するデメリット
工事だけ依頼をされる場合、業者にとっては様々なリスクがあります。
- 工事だけだとあまり儲からないこと
- 儲けを出そうとする価格設定にすると、「あの会社は高い」といううわさを流されてしまう可能性があること
- 給湯器本体のトラブルがあった場合に「オタクの会社で工事をしたから」と言われて責任を負わされる可能性があること
- 責任を負わされれずとも、責任がどこにあるか調べる仕事をしなければならないリスクがあること
- 上記のリスクについて、顧客が納得せず断った場合に「あの会社は対応が悪い」と悪いウワサを流されてしまう可能性があること
これらは、全て、「給湯器本体+工事」を行ってこそ、業者側は受け入れることのできるものです。
業者としてはリスクだらけ、そのうえ、リスクを受け入れるために高い工事設定にしたら、顧客からは「あの会社はボッタクリ」と噂を流されたのではたまったものではありません。
ですから、業者側としてはやりたくない仕事なのです。
営業担当者としても、「給湯器○台売上」という営業目標を持っていることが通常です。
いくら工事費売上が積み上がっていても、台数目標がクリアできなければ叱責を受けることがあります。ですから、工事だけ、というのは、あまりうれしいお客さんではないのです。
営業担当も人間ですから、意図せずとも対応が悪くなってしまう理由、おわかりいただけましたでしょうか?
工事費用は割高?
給湯器と一緒に工事を依頼するよりも、3~5割ほど高めにはなるだろうと思われます。
また、相見積もりの方法で値段を下げることができません。
例えば「他の業者はもっと安いんですよ」というよくある相見積もりの交渉を持ちかけた場合、相手業者から「じゃ、他の業者でしてください」と言われるのがオチです。だって、業者側も本当は請けたい仕事じゃないんですから。
それを、「あえて自社を頼ってくれたお客さんだから良くしてあげたい」という気持ちで工事だけでも請けようとしているのに、上から目線で交渉を持ちかけられたら「よそへ行け」という気持ちになるはずです。
ちなみに、工事費の目安としては、通常よりも3割ほど高めになるのではないかとは思います。(もちろん業者さんにもよりますからなんとも言えませんが)
工事費総額の比較
本体ごと業者に依頼した場合の費用の目安
オートタイプ、24号、エコジョーズタイプ、これが今の標準的な給湯器でしょう。
これで計算してみましょう。
本体(GT-C2462SAWX) | 105,000円 |
リモコンセット(RC-J101E) | 28,500円 |
標準工事費 | 50,000円 |
合計:185,000円(税込み)
機器保証は2年、工事保証は原則としてなし、くらいが世の中の標準かなと思います。
工事のみ業者に依頼した場合の費用の目安
オートタイプ、24号、エコジョーズタイプ、これが今の標準的な給湯器でしょう。
これで計算してみましょう。
本体(GT-C2462SAWX) | 80,000円~90,000 |
リモコンセット(RC-J101E) | 13,900円 |
標準工事費 | 60,000円~70,000 |
合計:150,000円~170,000(税込み)
機器保証は2年、工事保証はなし。本体も一緒に購入した場合は、おそらく、異常があればとりあえず見てくれるケースは多いと思われます。
工事だけの場合は、「異常があっても給湯器メーカーに依頼してください」となると思われます。
修理はされることになりますが、メーカーの場合は出張費で5000円程度必要です。
自分で給湯器を購入して、工事は業者に依頼する場合のまとめ
- 本体は割安で購入できると思われる
- ただし、機種選定は自分でしなければならないので、一定の知識(または調査)が必要
- 工事だけ、は業者側としては本来断りたいという裏の気持ちがあることは事実
- 購入前に、工事を請けてくれる業者を予め探しておいたほうが無難
- 様々なリスクを自分で引き受けるだけの気持ち、調査力が必要
- 総額で、約1~2万円くらいはお得(業者、条件によるので、実際には調査が必要)
金額の差は実はそんなにないかもしれない、ということは理解していただけたのではないかと思います。ただ、もちろん、とても安くで工事してくれる業者さんがいるかも知れません。こればっかりはわかりません。一度、お調べになってみてもいいかもしれません。
ネット業者に依頼した場合
当サイトおすすめの業者「いえすと 」の場合、本体代工事費込で、約20万円前後になるだろうと思われます。(※条件によります、実際の料金は問い合わせてください)
標準工事で18.5万円とご紹介しましたから、それよりも高くはなりますが、いえすとは「本体、工事費が10年保証」されています。多くのガス屋さん等の事業者の場合「本体は3年、工事保証はなし」です。価格は少し高くなりますが、保証面で安心ですからおすすめしています。
見積もりは無料です、確認をしてみることをオススメします。
自分で給湯器を購入して、工事も自分でする場合
大きな流れだと、
- 機種選定
- 工事部材準備
- 工事着工
となります。
工事の手順は、
- ガス、電気の供給を止める
- ガス、水、湯、追い焚き配管を取り外す
- 本体を交換する
- 水、湯、追い焚き配管を工事する
- リモコンを取り付ける
- 保温工事
- ガス工事(※要資格。ガス事業者へ依頼しましょう)
です。
給湯器交換の技術そのものは難易度の高いものではなく「DIYで十分にチャレンジ可能」な範囲ですが、安易なDIY工事について、当サイト運営チームは否定的な立場ではあります。
例えば、給水・給湯配管の接続に不備があれば漏水に繋がり家屋に深刻なダメージを与える可能性があります。また、排気筒やガス配管の接続不良は死傷等の大事故につながるリスクもあります。
大切な家屋、ご自身、そしてご家族を守るためにも、事前準備をしっかりと行うことが極めて重要です。ご自身で判断ができない場合や少しでも不安がある場合は、ガス事業者等の専門家にお尋ねになられることを強くおすすめいたします。
ここから先にご紹介することは、あえて細かい作業を書き記していません。わからないところは一つ一つ丁寧にお調べになってくださいませ。そうするうちに知識ができて、自分にできるかどうかが判断できるようになると思います。
工事説明書を熟読する
https://www.beautygarage.jp/medias/sys_master/h11/h16/8818845777950.pdf
https://www.harman.co.jp/downloads/file/0/0/10312/refPDF/YM1666RTA.pdf
ちょっとインターネットで調べると、上記のような工事説明書が見つかりました。
同様のものが、給湯器の説明書に同封されています。
まずは熟読してください。必ずです。大事なことがたくさん書いてあります。
ガス、電気、水の供給を止める
工事前に、万が一のことを考え、ガス、電気の供給をストップしましょう。
ガス栓は、給湯器近くにガス栓があります。
水についても、給湯器近くにバルブがあると思われますが、念の為、給水メーターから水を止めておいたほうが無難です。万が一、配管が折れてしまうと水が吹き出すことになるので・・・。
電気は、通常の100Vコンセントです。
もしコンセントがなく、VVFなどの電源ケーブルで直結されている場合は、ブレーカーを落とせばよいでしょう。特にマンションでは電源が直結されていることが稀にあります。
なお、屋外設置の場合は、防水コンセントの設置が必要です。もし、防水型コンセントでない場合は交換が必要になりますが、これには「第二種電気工事士」という資格が必要です。
ガス、水、湯、追い焚き配管を取り外す
多くの場合、ステンレスのフレキシブルパイプで接続されていると思います。
モンキーレンチなどの工具があれば工事可能です。取り外してください。
なお、取り外す際は、無理な力がかかることを避けるため、ナット側にスパナ等を当てて本体側に力がかからないようにしてください。無理に力をかけると、壁面のビスが壁ごと外れたりする可能性があります。
本体を交換する
プラスビスで壁面に打ち込んでいるケースが主です。取り外してください。
本体上下で止まっていますから、下は完全に外します。
次に、上のビスを少しだけ緩めて、引っ掛けた状態から上にスライドさせて引き抜きます。
20キロ~30キロ程度あります。成人男性であれば持てない重さではないと思いますが、できれば二人で作業してください。よろけると危ないですし、家が傷ついてしまっては元も子もありません。
水、湯、追い焚き配管を接続する
取り外したのとは逆の順序で接続します。
交換の際は、水道パッキンを交換してください。今使っているものは傷んでいるので、再利用すると水漏れのリスクがあります。
水道パッキンには、水用、湯用があります。これらはホームセンターに販売されています。
なお、通常、給水、給湯の呼び径は20Aですが、違うケースがあるかもしれません。
そのときは変更部材を使用してください。オプションで15Aの本体もありますが、まあ変更部材を使用したほうが手っ取り早いでしょう。
リモコンを取り付ける
リモコン配線の接続について、圧着接続端子は専用のものを使用し、専用工具で圧着してください。よくある、「絶縁テープで巻いただけ」は、外れてしまう可能性があるからです。
弱電なので、工事資格は不要ですが、電気工事士の試験の経験は役に立ちます。今後DIYをやりたいなら絶対に必要な資格なので、この機会に取得をオススメします。
台所用リモコンの工事はさほど難しくないと思われますが、風呂用リモコンは、少し大変です。
動画が見つかったのでご紹介しておきます。
動画の最後に使用しているのは、コーキングです。ホームセンターに行けば販売されています。防カビ剤入が良いでしょう。
動画はプロなので手早いですが、実際にやろうとするとこの3倍はかかると思ってくださいね。
また、動画ではリモコン配線には余裕がありましたが、現場によっては短い場合がありますので注意してください。
この配線を手放し、システムバスの穴の中に吸い込まれてしまうと、取り出すのに非常に苦労します。冗談ではなく取り出せないケースもあります。絶対に手を離さないでください。
保温工事
給水、給湯、追い焚き配管に保温処理をします。保温が甘いと冬場に凍結したり、温度が逃げてしまったりします。
ガス工事(※要資格。ガス事業者へ依頼しましょう)
ガス工事は資格が必要ですし、万が一ガス漏れがあれば燃えます。
自分では行わず、ここだけはプロに任せましょう。給湯器の移動さえなければ、工事費は5000円~10000円程度と思われます。
最終チェック&試運転
水漏れがないかをチェックして、試運転を行います。
工事にかかる時間
プロが工事をする場合、3時間~4時間程度です。
初めての場合で、指導者もいないと、2日~3日程度はかかると思ったほうがいいかもしれません。部材が足りなくなればホームセンターへ言って購入しなければなりませんし。
よほど器用で、準備をちゃんとできている方でもまる1日は必要かと思います。
ネットで給湯器を買うリスク、デメリット
- 自分で機種選定をする必要がある
- 必要なオプションを自分で判断しなければならない
- プロのアドバイスが聞けない
- (ネットで商品を購入すると)古い製品が送られてくる可能性がある
- 不具合時、製品側か工事側かを自分で見極める必要がある
- 「付き合いのある業者」を作れない
あまり脅すわけではありませんが、やはり、プロの知識、経験は偉大です。
その知識に頼らないということはそれなりにリスクが有る、ということです。
まとめ
どうでしたか?工事できそうでしたか?
工事をDIYで済ますことができれば、ガス工事代ですみますから、給湯器本体+ガス工事代で約10万円と、半額で工事をすることができます。
入念な準備のうえで、工事に臨んでください。
また、当日はお湯が使えない可能性がありますから、ご家族が困らないよう、お風呂屋さんの目処をつけておくだとか、冬場の工事を避けるとか、工夫をしてくださいね。
おすすめの給湯器の交換業者
当サイトでは、「いえすと」という業者をオススメしています。
見積もりは無料です。価格を見比べて、DIYとどちらが良いか、選択してみてくださいね。
良い工事になりますよう、当サイト運営チーム一同、お祈りしています。